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量子コンピューターD-Waveの性能は普通のコンピューターと大差ない? 現地の報道翻訳(EXTREME TECH 5月26日) [量子コンピューター]

この記事は11分で読めます。

量子コンピューターD-Waveは普通のコンピューターと大差ないの?
アメリカ現地ではどういう報道がされているの?


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Google社に導入された量子コンピューターD-Wave。
量子コンピューターD-Waveとは?

それが分野によっては普通のコンピューターと大差がないということが
Google社のベンチマークテストの発表で明らかになっていて
大きな話題になっているようです。

それについて、D-Wave社が性能に関して発表した内容を
米技術雑誌「EXTREME TECH」がレポートしていました。

今回は2014年5月26日付EXTREME TECHの記事の翻訳を行いました。

量子コンピューターが普通のコンピューターと性能の違いがない―――
一体これはどういうことなのでしょうか?

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EXTREME TECH 5月26日付記事



アメリカの技術雑誌「EXTREME TECH」で
2014年5月26日付記事に次のようなレポートがされていましたので
全文翻訳してみました。

D-Wave社、誤解を解く:Googleが量子コンピューティングの現在と未来に関する話について

D-Wave2プロセッサーのパフォーマンスと量子現象が毎日のデータリリースによって論議のトピックに上がり続けている。そしてそのGoogleが今年一月に発表したパフォーマンスもまたその例外ではない。 同社は現在、その結果に対する自身の説明に関する二度目の同社ブログの記事でこれらの数値について言及した。 次のテストはどうなる想定なのか、そしてこの問題の未来はどのようになってくのだろうか。

D-Waveに関する難問の心臓部にある鍵となる疑問はこのシステムは現在、量子アニーリングによって動いているのか否か、ということである。理論上、D-Wave2のプロセッサーは量子コンピューターの素晴らしいシュミレーションでしかないだろう―――あるいは、今までで作られた最高のシュミレーションだろう―――しかし、今でなお、究極的には、現実に出来うるであろう事の近似であるに過ぎないだろう。 D-Waveが本当に量子アニーリングを使っているのかどうかの議論を決定づけるための唯一の方法は、D-Wave2が今までで最高峰のコンピューターよりも優れているテストケースを発見することである。

Googleの最新のデータはD-Wave2がいつでも買えるような旧式のソフトウェアに対して大差で勝利している一方で、ハードチューンされたNvidia GPUで走っている旧世代コンピューターが数個とは言え、特定のベンチマークで量子コンピューターと競合する程度の性能であった。 Googleの技術者によると、このパフォーマンスの違いの小ささは現在の量子アニーリング機器が原始的な状態であることを示していると言う。

D-Wave2は次のような「まばらな接続」と呼ばれる物によって(その機能が)制限されている。

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8つのQubit(量子ビット)のそれぞれのサブグループが隣接したパートナーに密に接続し合っているのに対し、それぞれのブロックそれ自体ははるかに少ない結節点しか持たないことに注目して欲しい。 これは量子アニーリング機器の機能を制限している。なぜならば、これは量子コンピューターが問題に対する理想的な解決法を見つけるためにテストすることのできる状態の数を制限しているからだ。 これはシステムにおける量子ビットの数(この機械で使える全512量子ビット中で509個以下の事)とは別の問題なのだ。つまりこれはどのように機能している量子ビットを相互接続するかの問題なのである。

Googleによると、この問題は、この"まばらな接続"こそが旧世代コンピューターとD-Waveの量子系システムが歩調を合わせることを許しているのだという。 同社によると「それぞれの解決策についても、古典的な解決法が勝っているかあるいは最低でも(古典的手法が)同じ程度の性能を実現することのできる問題が存在している。しかしその反対もまた真実である。古典的な解決法にはそのハードウェアがあまりにも良すぎるという問題があるからである」


過去の残響

量子アニーリングシステムのメリットからそれに関連する旧世代コンピューターとD-Waveのシステム間の性能差についてにまで及ぶこの現在の議論は20世紀中期のデジタルとアナログコンピューティングの議論にどこか似ている。 この時代の終わりから、デジタル技術がただ過去を忘れたように止まらない流れになり、より計算の原始的な方法になっていったように思える―――しかしこれもまた歴史の事実の中のひとつの輝きに過ぎないものだ。

電気的なアナログコンピューターは当時のデジタルコンピューターよりもはるかに処理が早かった。 アナログシステムが並列的に操作されていた一方で、デジタルシステムは操作を順番に行っていくだけであった。 アナログコンピューターは精度の高いレベルの事が出来た(初期のデジタルコンピューターのエラー確率1%に対してアナログコンピューターは0.1%であった)。 結果として、デジタルコンピューターはアナログコンピューターに勝つことになる―――しかし、2つの系統のシステエムは数十年間様々なレベルで共存してきた。

初期のデジタルシステムがよく発達したアナログコンピューターとその機能は一致したか、多くの点で上回ったように、D-Waveの世界初の量子コンピューティングが適切に調整された古典的なシステムに匹敵するかあるいは超えることができる程度であることはありうるものなのだ。 実際問題として、数千億ドルが費やされた現代のコンピューターの発展に対して、もし科学者がそのほんのひと握りの年数だけで全ての分野において従来の装置を圧倒できるだけの機能を持った新しいコンピューティング・ソリューションを作ったということだけでも驚くべきことなのではないだろうか。


ちなみに原文はこちら▼

The performance and quantum nature of the D-Wave 2 processor continues to be a topic of discussion with every new data release, and the performance figures that Google released in late January were no exception. The company has now followed up these figures with a second blog post that describes its own interpretation of the results, what it intends to test next, and what the future of the program is likely to be.

The key question at the heart of the D-Wave enigma is whether or not the system is actually performing quantum annealing. In theory, the D-Wave 2 processor could be an excellent simulation of a quantum computer — possibly the best simulation ever built — but still, ultimately, an approximation of what the real thing would offer. The only way to determine whether or not the D-Wave performs true quantum annealing is to find a test case in which the D-Wave 2 outperforms even the best classical (meaning, standard) computers.

Google’s last set of data indicated that while the D-Wave 2 outperformed off-the-shelf classical software by huge margins, hand-tuned classical computer configurations running on Nvidia GPUs were capable of competing with the quantum computer in a number of specific benchmarks. According to Google’s engineers, this close performance is an artifact of the primitive state of current quantum annealers.

The D-Wave 2 is limited by what’s called “sparse connectivity,” as shown below.

Note that while each sub-group of eight qubits is tightly linked to its adjacent partners, the blocks themselves connect in far fewer places. This limits the performance of the quantum annealer because it limits the number of states that the quantum computer can test in order to find the ideal solution to the problem. This is a separate problem from the number of qubits in the system (up to 509 out of a possible 512 in this machine) — it’s an issue of how interconnected the 509 functional qubits are.

According to Google, it’s this sparse connectivity that’s allowing classical computers to keep pace with D-Wave’s quantum system. The company writes that, “For each solver, there are problems for which the classical solver wins or at least achieves similar performance. But the inverse is also true. For each classical solver, there are problems for which the hardware does much better.”

Echoes of the past

The current debate over the merits of quantum annealing and the relative performance advantage of classic computers versus D-Wave’s system is somewhat similar to the debates over digital vs. analog computing of the mid-20th century. From this end of history, it may look as though digital technology was an unstoppable wave that simply buried older, more primitive methods of computation — but this glosses over historical fact.

Electronic analog computers were initially far faster than their digital counterparts. They operated in parallel, whereas digital systems performed operations sequentially. They were capable of higher levels of precision (0.1% as compared to the 1% margin of error within the first digital systems). In the end, digital computers won out over analog — but the two types of systems co-existed at various levels for several decades.

Just as early digital systems were matched or outperformed in many respects by well-developed analog computers, it’s possible that D-Wave’s first quantum computing efforts can be matched or exceeded by well-tuned classical systems. In fact, given the hundreds of billions of dollars poured in to the development of modern computers, it would be astonishing if scientists invented a new computing solution capable of beating conventional equipment in all respects in just a handful of years.


まとめと要約



少し面倒な話なので簡単にまとめてみるとこんな感じだと思います

● D-Waveは未だ量子アニーリングを使っているか議論中である
● D-Waveは既存のコンピューターより計算速度が優れている
● しかしその一方で、計算速度が変わらない分野もある
● D-Waveが遅い理由は量子ビットではなくその接続にある
● D-Waveは初期段階に過ぎず、発展が見込まれる分野である


要は量子コンピューターもまだまだ未完成の位置づけにあると述べているわけですね。
しかし、それでも既に現代のコンピューターを圧倒的に追い抜かすポテンシャルを持っています。

また、量子アニーリングは最適化の分野に絞って優秀な概念だということなので、
その分野で使う分には通常のコンピューターと比較して現実に実用的だというのも嘘ではないようです。

しかも、毎年2倍の性能向上が認められており、
特定分野では1万倍近い圧倒的な速度があると言われています。

そういった期待が詰まっている量子コンピューターのD-Waveシリーズ。
これからもD-Wave社の量子コンピューターについては
将来的にも注目していきたい項目の一つですね。

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